生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度として創設された「ふるさと納税制度」。
2024年度は納税受入額として過去最高の1兆2728億円を記録し、人気となっているが、利用者の奪い合いが問題視され、ルールの解釈や隙をついた自治体が現れ、たびたび総務省から制度改定がなされ、さらに、2025年10月からポイント等が付与されるサイトでの寄附募集が禁じられた。
毎年なにかと話題になる「ふるさと納税」だが、いま 静岡県 磐田市の返礼品のラインナップに「タバコ」が加わったことが注目と驚きを集めている。
ふるさと納税制度の返礼品のルールの一つに、「返礼品はその地域の地元の産品に限るものとする」というものがある。
磐田市はもともとタバコの葉の一大産地であり、1979年には葉タバコから商品にする工場が建てられた(現在のJT東海工場)。敷地面積は国内最大の22万3176平方メートル、東京ドーム約5個分の広さを誇る。
タバコ農家・工場に勤める人など、タバコに関連する仕事に就く人も多く、磐田市民にとってタバコは身近な存在である。
地元に根付く産業であり、問題がないようにも思われるが、近年の健康志向や、健康増進法の考えに逆行するとも思われることや、タバコには様々な税金がかかっていること、過去に前例がないことから総務省や財務省の確認に時間を要したものの、無事に審査をクリアし、2024年11月 磐田市のふるさと納税の返礼品に「タバコ」が加わった。
賛否両論あるかと思いきや、「手軽な返礼品でよい」「批判する人は選ばなければいいだけ」「酒がいいのだからタバコも問題ない」「喫煙者にとって最も実用的なもの」など、ネットの声はおおむね好感触。
返礼品となる銘柄は「メビウス」「ピース」「ホープ」が用意されている。興味がある方は、各ふるさと納税サイトで「磐田市のページ」をご確認ください。