日本国内の玉ねぎの収穫量は、北海道が全体の約6割を占め、上位3県(北海道・佐賀・兵庫)だけで8割以上を占めています。
浜松市を含めて静岡県に玉ねぎの産地というイメージはあまりないかと思いますが、実は浜松の篠原地区は「新玉ねぎ」の一大産地として知られ、日本一早く収穫される玉ねぎとして「新玉ねぎと言えば浜松」と言われているくらい有名です。
新玉ねぎとは?
年間を通してスーパーなどで購入することができる玉ねぎは茶色の皮が付いた玉ねぎですが、3月~4月にかけて白い薄皮がついた玉ねぎがスーパーに並びます。
これが「新玉ねぎ」と呼ばれるものです。
「茶色い皮の玉ねぎ(一般の玉ねぎ)」と、「白い薄皮の玉ねぎ(新玉ねぎ)」ですが、実は、この2種類は同じものなのですが、収穫後の処理に大きな違いがあります。
一般の玉ねぎの多くは、「黄玉ねぎ」という品種の玉ねぎを収穫して、約1か月ほど乾燥させてから出荷します。そのため、長期間の保存が可能で、年間を通じて手に入れることができます。
一方で、新玉ねぎは「黄玉ねぎ」や「白玉ねぎ」という品種を若取りして、収穫後1日~2日程度の短い乾燥期間ですぐに出荷したものをいいます。温暖な気温の地域で作られる早生タイプの玉ねぎを使い、3月~4月の短い期間だけ店頭で見かけることができます。
浜松産の新玉ねぎとは?
「黄玉ねぎ」「白玉ねぎ」と一口に言っても品種は様々で、浜松の新玉ねぎは、白玉ねぎの「サラダオニオン」と呼ばれる品種です。
さらに浜松篠原産は「プレミアムホワイト」と名付けられ、収穫期間や生産量が限られているため市場に出回りにくく、幻の玉ねぎとして高いブランド価値が付いています。
もう一つ、浜松市、湖西市、御前崎市から出荷される、黄玉ねぎの「はるたま」という品種があり『春を呼ぶたまねぎ』として全国に出荷されます。
現在、白玉ねぎの「サラダオニオン」、黄玉ねぎの「はるたま」の2種類が登録商標されています。「プレミアムホワイト」は玉ねぎのブランドといったところでしょうか。
日本一収穫が早い 浜松の新玉ねぎ
一般的には、新たまねぎの旬は3月~5月頃とされていますが、それに先駆けて年明の1月~3月頃から出荷がはじまります。
その中で、産地としてまとまった出荷があり、最も多い数量を出荷しているのが浜松です。これが、浜松が「日本一早い新たまねぎの産地」と呼ばれる理由です。
浜松市は年平均気温15.7 ℃と温暖な気候で、全国的にも日照時間が長く、玉ねぎのみならず多種の農作物の栽培に適しています。
さらに、篠原地区は日本三大砂丘の一つ 中田島砂丘から続く砂地で水はけがよく、地温が上がりやすいことが玉ねぎの栽培に向いている理由です。
また、気候や地の恩恵に加え、生産者のたゆまぬ努力により品種改良を重ね玉ねぎを栽培してきました。
辛みが少なく柔らかい
辛みが少なくて柔らかいのが新玉ねぎの特徴です。これは感覚ではなく実際に辛さの目安となる「ビルビリン酸」が少なく、甘みを感じることができます。そして、篠原地区産の新玉ねぎは そのみずみずしさに驚くことでしょう。
みずみずしく柔らかい新玉ねぎは 食材の美味しさを直に感じることができる生がおすすめです。味変したければ、お好みで しょう油、ポン酢、かつお節やマヨネーズをかけても美味しくいただけます。火を通せば甘みと香り、コクが増すため、玉ねぎステーキや煮込み料理にも最適です。
浜松産 新玉ねぎの購入方法
タイミングがよければ 一般のスーパーで購入することもできますが「プレミアムホワイト」はとても人気が高いため、市場に出回る数は限られています。
また、農作物は気温や環境により収穫日が異なるため、正確な出荷日はわかりません。このため、産地直送・農家直送の通販サイトなどで予約購入するのがおすすめです。
他にも、直売所を運営している生産者のホームページをこまめにチェックするのもいいでしょう。
浜松市以外にお住みの方は、浜松市のふるさと納税の返礼品で新玉ねぎを扱っているため、利用するのもおすすめです。