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浜松ご当地ラーメンについて調査した件「浜商ラーメン」「忍者系ラーメン」

浜松ご当地ラーメン

浜松餃子は全国的にも有名だが、餃子と一緒に食べたいラーメンで浜松独自というものはあまり聞いたことがない。そこで浜松にはご当地ラーメンが存在しないのか調査してみた。

実は今から10年以上前にテレビ番組の企画で浜松にご当地ラーメンを誕生させようと『浜松ラーメンプロジェクト』が立ち上がったことがある。

"浜松産の食材にこだわりラーメンを作る"というコンセプトで、基本的な特徴・定義を元に、市内のラーメン店が独自にアレンジして「浜松ラーメン」として売り出すというものだった。

完成した試作品を"ラーメンの鬼"と呼ばれた、ラーメン店「支那そばや」創業者「佐野実」さんに食べてもらい、「旨い」のお墨付きをもらいプロジェクトは順調に進むかと思われたが、最初から浜松ラーメンプロジェクトは失敗していたと言わざるを得ない。

なぜなら、浜松ラーメンは全く新しい味を生み出したのではなく、また、独創的な味というわけでもない。元々あった味、更に言ってしまうとラーメンの王道「醤油ラーメン」を地元の食材を使っただけで「浜松ラーメン」と呼んでいただけだったのだ。

当時は店頭に「浜松ラーメン」ののぼり旗を出す店もあったが、このプロジェクトは大きな広がりを見せることもなく、自然消滅的になくなってしまった。

その後は、豚などがベースの黒いスープのラーメン(支那そば)、「忍者系ラーメン」、別名「遠州ブラック」なるものが、日本テレビ「秘密のケンミンSHOW極」(2021年7月15日放送)で取り上げられ多くの人に知られることになる。しかし、忍者系ラーメンを提供する店は、基本的にオーナーが同じ、もしくは同系列の店のため市内に広く広まっているとは言い難い。今後、忍者インスパイア系として同じような系統のラーメンを提供する店が増えてくれば浜松のご当地ラーメンになり得るが、現時点では浜松のご当地ラーメンとまでは言えない。

下記は忍者系ラーメンが食べられるお店一覧

  • 麺創房 一凜(浜松市中区名塚町235)
  • ワンタン軒(浜松市中区高丘東3-44-3)
  • 荒野のラーメン(浜松市西区大山町2796-3)
  • 来々軒(浜松市西区伊左地町2456-2)
  • 麺屋 てっぺん(閉店)

2022年8月には、静岡県立浜松商業高校の生徒たちがプロデュースしたラーメン(※以下、浜商ラーメンと呼ぶ)が誕生した。地産地消を意識して、浜松ならではの味を目指し、スープには浜松の老舗醤油メーカーの濃い口醤油を使用したという。

基本的なコンセプトが10年前の浜松ラーメンプロジェクトと似ているので少々心配の面もあるが、浜商ラーメンは実店舗での販売ではなく、いわゆる袋麺。浜商や地元企業の後ろ盾・バックアップもあるから個人のラーメン店が挑戦するよりもはるかに良い環境が整っていると思われる。

このチャンスを生かして浜商ラーメンは浜松餃子に並ぶ特産品、浜松ご当地ラーメンに成長することを期待したい。JR浜松駅などで購入することが可能だ。

以上の結果から、今現在浜松で広く知れ渡った名物・名産品と呼べるご当地ラーメンはない。「忍者系ラーメン」「浜商ラーメン」が今後浜松のご当地ラーメンとしての地位を確固たるものにできるか注目していきたい。