ヤマハ発動機(磐田市)は、生産拠点構造改革の一環として、生産効率と市場追従性の向上を目的に、2020年から磐田本社工場および周辺工場の生産機能の再配置を進めている。
2月12日に開かれた記者会見で、ヤマハ発動機は、浜北工場、中瀬工場(浜松市)の二輪車生産機能を磐田市本社工場に集約・再配置すると発表した。
具体的には、浜北工場のエンジン製品に関わる鉄物部品の加工・製造を磐田本社工場および周辺工場に再配置、中瀬工場の樹脂パーツなど外装の製造・塗装を磐田本社工場に集約する。
両工場合わせて約880人が働いているが、配置転換により雇用は守られるという。
2022年から移転を順次開始し、2024年中の完了を目指している。浜北工場は移転後、閉鎖し跡地は売却される予定だ。
ヤマハ発動機の昨年12月までの1年間の決算は、6月までの上半期を中心に新興国での販売台数が大幅に減り、売り上げは、前年の同じ時期より11.6%減り1兆4712億円、本業のもうけを示す営業利益は、29.2%減って816億円となり、2年連続の減収減益となった。
下半期はアジアの一部を除いて前の年を上回る販売実績となり、1年間の最終的な利益は、当初の見通しより90億円上回り530億円を確保した。
同社の国内の二輪生産台数は1981年の190万台をピークに、現在は20万台を割り込んでいる。リーマン・ショック後に生産集約を行ったが、国内でのバイク需要の減少に対応するため、より効率的な生産体制を構築する必要があり、今回の集約に至った。