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浜松餃子の名店、駅南「むつぎく」と、助信「むつ菊」の違い

浜松市 餃子購入額 2020年 日本一

浜松市内にある餃子専門店は約80軒、餃子を扱う店は300店以上に上ります。

そんな中でも行列必死の有名店、駅南「むつぎく」と、助信「むつ菊」ですが、同じ名前だから何か関係があるの?と思っている人もいるのではないでしょうか?今回は、両店の関係性について紹介します。

実は、「むつぎく」も、「むつ菊」もルーツは同じ。「元祖むつぎく」が昭和37年に浜松市中区千歳町で開店、その後、暖簾分けして長男は、助信町で「むつ菊」を営み、次男は千歳町の店を浜松駅南口に移転して現在の、「むつぎく」へと至ります。

しかし、「むつぎく」が本店で、「むつ菊」が支店という関係性ではありません。

餃子むつぎく

むつぎく(浜松駅南)

餃子むつ菊

むつ菊(助信)

現在は、暖簾分けで助信で「むつ菊」を営んだ長男も、元祖むつぎくの流れを継いで駅南で「むつぎく」を営んだ次男も既に他界していて、それぞれの家族が事業を継承して営業を続けています。

両店は親戚関係にあたりますが、積極的な交流はなく、お店の経営方針、味などについてもお互いが干渉することなく、当然、資本関係もありません。ルーツは同じといえど全く別のお店ということになります。

同じ市内の餃子店で、親戚でありながら交流が無いというと、仲が悪いと思われるかもしれませんが、「餃子の王将」と「大阪王将」のように親族が裁判で争うような関係性ではなく、お互いが尊重しあい、それぞれが自分の仕事に誇りを持って家業を営んでいるということです。

【営業スタイル】

営業スタイルも大きく異なり、駅南「むつぎく」は、調理・焼き場は手作業だがアルバイトを雇うことで作業効率を上げ、餃子以外のメニューも豊富。立地の良さに加え積極的にプロモーションも行い、浜松餃子の代表格であることを自負している印象。一方で、餃子が看板商品の中華料理店という印象もある。

一方、助信「むつぎく」は、連日の行列を見れば手広く商売を手広く広げることも可能なはずだが、決して好立地とは言い難い場所で、店舗も小規模。家族経営の手作り手焼き。ビールはあるがメニューは餃子とホルモンのみで御飯もない。商売っ気が感じられず、味にこだわった職人の店という印象。営業も不安定で、なくなり次第終了、突然の休業もある。

【価格・コスパ】

助信「むつ菊」は、15個で660円(調査時)、一方で、駅南「むつぎく」は、16個で960円で、1個あたりの金額からすれば、「むつ菊」の方がコスパに優れていると思われるかもしれないが、「むつ菊」の餃子は、「むつぎく」と比較すると小さく、正確に総重量を図ったわけではないが、食べ応えとしては、ほぼ同じであり、金額はどちらの餃子を選ぶかの理由にはならない。

【味の特徴】

味は好みが分かれるため、どちらが美味しいという明言は避けるが、両店とも「食べログ 百名店 餃子部門」にも輝いたことがある浜松餃子の名店。

特徴としては、駅南「むつぎく」は、12個以上の注文の場合、浜松では定番の円盤状に並べられ真ん中に茹でもやしが添えられる。あん(具材)は、キャベツたっぷりで肉が少なめ、さっぱり味の浜松餃子の典型的な様相。キャベツの甘みも感じられ、くどくないので何個でもたべれる。

皮は薄く、一部パリッとしているが、パリパリが売りというわけではなさそうで、ほんのり塩味がついているため、タレをつけずに食べても美味しい。

一方で、助信「むつ菊」は、こちらも円盤状に並べられた羽根付き餃子の真ん中に茹でもやしが添えられた浜松餃子の王道スタイル。あん(具材)は、野菜中心だが旨味とコクがあり甘さが際立ち、ねっとり・しっとりとした食感。ニンニクは極少量混ぜ合わせている模様。

あんは自宅で作り、注文が入ってから包んで、一般の家庭にあるような普通のフライパンで焼くため出来上がりには少々時間を要す。沢山の注文を捌くのではなく、「こだわりを持って、美味しい餃子を食べてもらう」というのが「むつ菊」のスタイル。

よくネットでは、「むつぎく」「むつ菊」どっちが美味しいですか?おすすめですか?なんで質問があるが、そんなこと人に聞くなんて本当にナンセンス。人それぞれ味の好みがあるため、とにかく両店に行って自分の舌で確かめてもらいたい。