浜松市の鈴木康友市長は、2021年2月9日会見を開き、7つの経済対策を発表した。
その中でも注目したいのが、浜松市が新型コロナウィルスの感染拡大により大きな影響を受けている飲食店を独自に支援する「1億円キャッシュバックキャンペーン」だ。
この支援策は静岡市のように飲食店に一律のお金を配るというものではなく、飲食店を利用する側にもメリットがあるキャンペーンとなっている。
具体的なキャンペーンの詳細は、「はままつ安全・安心な飲食店認証制度」の認証を取得している飲食店を、4人以下の少人数のグループで利用した際、5万円を上限に支払った金額と同額をキャッシュバックするものだ。
総額1億円の予算で毎日200組がキャッシュバックを受けることができる。
国の緊急事態宣言の解除時期に合わせて、3月8日の開始を予定しているが、全国の新型コロナウィルスの感染状況により変更の可能性もある。期間は同年3月28日まで、またはキャッシュバック総額が予算の1億円に達したら終了となる。
民間企業が行うようなキャンペーンで、地方自治体の取り組みとしては全国的にも非常に珍しい。
しかし、このキャンペーンに対しての飲食店関係者からの反響はいまいちだ。理由は当選者が毎日200組と少なく、集客に繋がるか不透明なことだ。
同様に、飲食店を利用する側も抽選ということで恩恵を受けることができる人とできない人が出てしまい、以前 浜松市が電子決済のペイペイを活用して独自に実施した「がんばれ浜松!対象のお店で最大30%戻ってくるキャンペーン」のほうが良いという声が圧倒的だ。
ただ、市が独自に行う支援策のため、限られた予算の中で大規模な支援を行うことは難しい。浜松市は一律にお金を配るのではなく、景気を刺激して波及効果で経済を回すことが政策の目的としている。