2022年7月9日(土曜)~9月11日(日曜)までの期間、浜松市美術館(中区)で『ハイジ展"あの子の足音がきこえる"』が開催される。本展は浜松市美術館の完全オリジナル企画のため県内外からも大きな注目を集めている。
日本ではテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」でお馴染みだが、物語の原作は、スイス人作家「ヨハンナ・シュピーリ」が、1880年にドイツで出版した『ハイジの修業時代と遍歴時代』と、続編となる『ハイジは習ったことを役立てる』の2冊の小説。
幼くして両親を亡くした主人公ハイジが、社会や大人たちの事情に翻弄されながらも、アルムの山のおじいさん、ヤギ飼いの少年ペーター、フランクフルトの富豪ゼーゼマン家の、足が不自由な少女クララ等の登場人物との出会いを通して、力強く生きる姿が描かれている。
本展は、原作者シュピーリ直筆の手紙、原書や翻訳本に掲載された挿絵やイラストの原画等を展示し、原作者シュピーリの生涯を激動の時代背景と共に紹介していて、「ハイジ」という物語の価値や魅力を「文学」と「アニメーション」の双方から再構築している点が特徴です。日本を含めた世界各国の「ハイジ」の翻訳や映画作品、絵本等を通して、海外と日本での受容を比較することもできる。
また、テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』の制作者による企画や原作の解釈、映像化のための工夫等を、当時の制作資料をもとに紹介している。
本展は展示品の多くを「実物」「制作当初の物」で構成することにこだわっていて、展示総数は500点以上、浜松市美術館が送るまさに『本気のハイジ展』といえる。
期間中、アニメハイジ制作に携わった作画監督と担当プロデューサーによるトークイベントや、京都大学准教授による日本のハイジと世界のハイジと題する講演会、浜松市美術館学芸員による展示解説(ギャラリートーク)などのイベントも開催される。
- 期間:2022年7月9日(土曜)~9月11日(日曜)
- 休館日:月曜日(祝日は開館、8月は無休)
- 開館時間:午前9時30分~午後5時00分(入館は午後4時30分まで)
- 観覧料:一般:1400円、大学生・専門学生・高校生:1000円