2021年 浜名湖の冬の味覚 牡蠣 記録的な不漁が続く

今月に入り浜名湖の冬の味覚「牡蠣」の今シーズンの漁が始まった。去年・一昨年と記録的な不漁が続く浜名湖産の牡蠣だが、関係者は様々な対策を講じてはいるものの、今年も厳しい状況が続くと予想される。

舞阪町養かき組合によると、例年では70トン以上あった水揚げが、一昨年は半分以下の37トン、さらに去年は僅か7.9トンだった。打撃は大きく、今年の出来が漁協関係者の存続にも影響を与えるところまできている。

不漁の原因として、夏の猛暑による水温の上昇、プランクトンが異常に増える赤潮の影響などの他に、牡蠣の天敵ともいえるクロダイの繁殖が影響しているといわれている。

牡蠣が小さいうちにクロダイが食べてしまう食害に悩まされてきたが、組合は去年から牡蠣棚に食害ネットを張るなどの対応を講じ、今年になりクロダイの進入を防ぐ効果が表れているという。

しかし、厳しい状況が続いていることに変わりはなく、「舞阪町養かき組合」は、浜名湖の伝統産業を守るため、インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング」で稚貝購入のための資金を募り、目標としていた200万円を大きく上回る5,245,000円の支援を集めた。このことからも関係者が今年にかける思いは強く、勝負の年となりそうだ。

浜名湖では牡蠣だけではなくアサリや海苔などの特産物が水質の変化により大きな影響を受けている。これらは一過性の問題ではなく、現在進行形の問題であるため、これからも注視していく必要がある。